2017/01/02

スラッシャーだった2016



2016年の振り返りを月ごとにでもしようかな。と思ったら、あまりにも膨大で、
終わりそうもなく途方に暮れて、2017年始まった。
いっそのこと「あけおめ!」の4文字で終わらそうかな…と思った瞬間に思い出した言葉。

スラッシャー
2000年代に作家のMarci Alboherが提唱したスラッシュ・キャリアという言葉があるらしい。
彼女は、一人の人が、会社員 / ヨガインストラクター / ライターなど、
本職の他に副業をもち、複数の肩書で生きていくことに、
これからの時代においては、可能性があると主張する。

参考▶︎ELLE ONLINE スラッシャー" / "として生きていく術
http://www.elle.co.jp/culture/feature/the-slash-factor16_0116/1

そして、日本の政府も遅ればせながら、年末に企業が就業規則を考える時に参考にしてるという
厚生労働省の「モデル就業規則」での副業のあり方を「原則禁止」から「原則容認」に変えた。

参考▶︎日本経済新聞 正社員の副業後押し 政府指針、働き方改革で容認に転換
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS25H1D_V21C16A2MM8000/

そんな中、私の所属する会社では、幸いなことに
少なくとも私が入社した3年前から、既にひっそりと申請をすれば副業は可能という状態にあった。
その環境の中で、入社と同時に軌道に乗り始めたTokyoGraphicRecorderという活動を
本職のデザイナーと同時進行で続けさせてもらえたのは、本当に有難かった。
副業可能な環境によって、会社だけではなく、
教育、研究、案件、様々な現場を行き来して実験して、
通常ではありえないサイクルで思考と手法のアップデート行うことができていた。
そのおかげで、グラフィックレコーディングを書籍としてまとめるチャンスにも出会えた。

そういえば、私は、スラッシャーの先駆けとして、葛飾北斎をリスペクトしている。
彼は、いろいろな画風で真の実力を世に問う為に、新人の振りをして
生涯に30回、画号(ペンネームのようなもの)を改号してる。
“魚仏”、“雷震”、“時太郎”、“三浦屋八右衛門”、光琳派の絵には“俵屋宋理(そうり)”、
最晩年は“画狂老人卍”
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%91%9B%E9%A3%BE%E5%8C%97%E6%96%8E

大人になって、ひとつ顔でひとつの肩書き完成されかけると
安心と安定と引き換えに、窮屈さがやってくることもあると思う。
そんな時に、自分の肩書きに、” / " スラッシュひとつ付けて、生きることで
収入だけではなく、何か違う大事な視点を得られるかもしれない。

話は逸れるけど、多様性を表すネーミングが日本は少しへたっぴだなと思うことがある。
「正社員と派遣社員」、「本職と副業」、などなど。
何かと『正』と『その他』の視点でラベルを貼って整理をしようとする。
そうでなくて、ある種類の一つで、自由に組み合わせて、
個人がカスタマイズするべきパーツのひとつと感じるネーミングだったらといつも思う。

そういう意味で「スラッシャー」はなんだか良い感じ。
名前は大事。
いろいろな人のスラッシャーという生き方を知りたいな。
どっかの雑誌で特集やってほしい。

長くなりましたが、そんな感じで、今年はというか、この3年、
私は、今までの人生の中で一番たくさんスラッシュが付いていた。
まだまだ未熟なスラッシュ故、多くの失敗で反省もたくさんだけど、
それ以上に、職業は生涯ひとつだけ!と思い込んでいた呪縛から逃れられたのは嬉しかった。
2017年は、この増えすぎたスラッシュをどのように組み合わせて過ごそうか楽しみ。
今年もどうぞよろしくお願いします。

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おまけ/途中挫折した「日記」ならぬ、「月記」
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■1月
2016年スタート!年末に行った韓国出張の報告資料とりまとめ、
GR本の執筆を本腰入れてやり始めたが、どう進めればいいのか試行錯誤して困った。

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■2月
会社で行ってるお仕事をもっと業界全体で考えたいという思いからスタートしたイベント
ロゴはデザイナー廣澤さん作成。
DATA×UX CROSSING〜vol.1 デザインとサイエンス融合の最前線〜
https://data-ux-crossing.connpass.com/event/26114/

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■3月
NHKコリドールラボ
大道具やパフォーマー枠ではなく、情報伝達手法としてメインキャストとして取り扱ってもらうことができた案件。綿密なコミュニケーションができて本当に嬉しかった。
https://hh.pid.nhk.or.jp/pidh07/ProgramIntro/Show.do?pkey=001-20160320-11-28728

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■4月
ヤフーオーサーとして、初記事。社会のニュースに絡めて、自分の考えを伝える難しさを感じた。
クローズアップ現代+で導入された 「グラフィックレコーディング」とは一体何だったのか?
http://bylines.news.yahoo.co.jp/shimizujunko/20160413-00056533/

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■5月
記憶が曖昧

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■6月
灰色ハイジ氏の紹介で、Libインタビュー
素敵な女性風になってしまったけど、もっと失敗談もだくさん語ればよかった反省。
https://libinc.jp/workstyle/real_woman_interview/1149

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■7月
本の執筆のため、仕事は減らすと約束していたけれど、このボリューム。
4月の自分の考えをどうしてもアウトプットしておきたかった。

グラフィックレコーディングの正体とはなにか?(前編)amana
http://visual-shift.jp/detail_40.html

安斎さんとの企画WS@東京大学 本郷キャンパス 情報学環・福武ホール
http://peatix.com/event/178566/view

カンファレンス/議論の可視化にできること
http://peatix.com/event/179555

BRUTUS みんなの学びのルールの部分でインタビューとイラスト担当
https://magazineworld.jp/brutus/brutus-828/

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■8月
GR本執筆のため、空いた時間は全て缶詰
夏休みとは?

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■9月
GR本執筆のため、空いた時間は全て缶詰
秋田公立美術大学WS

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■10月
GR本執筆のため、空いた時間は全て缶詰
九州大学WS、amanaWS

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■11月
GR本執筆のため、空いた時間は全て缶詰

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■12月
GR本執筆のため、空いた時間は全て缶詰

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(ちなみに今日も、「GR本執筆のため、空いた時間は全て缶詰」なので
自宅で仕はじめです。がんばる!)